理事長挨拶
平成23年5月21日、東京で開催された第50回日本消化器がん検診学会総会での臨時理事会において、任期満了でご退任される荒川理事長の後任として不肖私が選出されました。東日本大震災の影響で予定されていた記念行事の一部は取りやめになったものの、森山会長が掲げられた「消化器がん検診の“これまで”と“これから”」という50周年にふさわしいメインテーマのもと、盛会のうちに進められていた総会の最中でしたが、「“これから”の第1歩はお前に任せる」という厳しい命題を突き付けられたわけで、その責任の重さを考えると身の引き締まる思いがいたします。実は、今、50周年の記念事業の一環として発刊される記念誌の編纂作業が佳境に入っておりますが、私は「胃がん検診の足跡」と「消化器がん検診の将来像」を担当して先ごろ原稿を仕上げたところでした。まさに、この数か月の間 “これまで”と“これから”のはざまに身を置いていたわけで、改めて先達の輝かしい功績の数々に思いをいたしながら、今直面している課題をいかに解決し、消化器がん検診を将来どのような形にしていくか、私なりにこの重いテーマを真剣に考えたものでした。そんなこともあって、今回の理事長にご指名いただいたことの責任の重さは倍加されたのではないかと考えています。
さて、がんが死亡率の首位を走り続けている今日、がん対策基本法が制定され、それに基づいたがん対策推進基本計画には、がん検診の質の向上と受診率の向上が目標の一つとして明示されています。このような現状における本学会の喫緊のしかも本質的なミッションは、この目標を達成するための方策について一層議論を深め、科学的かつ合理的な提言を社会に向けて発信することだと考えています。社会への提言は、一般市民への広報の形で行うのはもちろんですが、政策提言の形で直接国の保健医療の政策決定に貢献することも大事ではないかと思っています。このミッションを遂行するためには、何よりも学会の活性化を図ることが必要です。今回ご退任された有末理事が企画委員長として学会の活性化について、コメディカルの会員化、研修会の充実、読影医の育成、内視鏡医の入会勧誘などいくつかの提案をされておりますが、いずれも重要な検討事項であり、将来に向けた議論が必要と考え、認定医制度や専門医制度に関する課題を含めて将来構想を検討する部局(委員会または作業部会)を設置して対処したいと考えております。
“これまで”にも倍して“これから”も本学会の理事会、評議員会、また会員の皆様のご支援、ご指導を賜りますようお願いして新理事長就任のご挨拶とさせていただきます。
社団法人日本消化器がん検診学会
理事長 深尾 彰
