第64回日本消化器がん検診学会総会終了に伴うご挨拶
2025年6月30日
初夏の候、皆様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
このたびは、第64回日本消化器がん検診学会総会の開催にあたり、格別のご支援とご高配を賜り、誠にありがとうございました。
本総会には、現地開催最終日時点で約2,000名の方々にご登録いただき、心より御礼申し上げます。おかげさまで、旭川での現地開催を無事に盛会裡に終えることができました。プログラムを滞りなく終了できましたのも、ひとえに学会役員、プログラム委員の先生方、代議員・会員の皆様、ご協賛企業、ご後援団体、学会事務局、運営事務局スタッフの皆様、そして私どもの医局スタッフのご尽力とご支援の賜物と、深く感謝申し上げます。
なお、7月4日(金)正午~9月30日(火)17時の期間には、一部セッションのオンデマンド配信を予定しております。ぜひご視聴賜りますようお願い申し上げます。
本総会では、「現行システムの最大活用と新規技術の実装へ向けて」をテーマに掲げました。現行の検診システムは極めて優れた枠組みであり、その潜在力を最大限に活かすことで、我が国のがん死亡率をさらに一段階低下させることが可能と考えております。しかしながら現時点では、対策型検診と職域健診、人間ドック、一般診療におけるデータの連携が不十分であり、そのため高リスク群への的確な受診勧奨や、ビッグデータとしての利活用が進まず、効率的な検診の実施や有効性評価が十分に行われていない状況です。 また、現行システムを最大限に活用しても早期発見が難しいがんも存在し、とくに膵・胆道系腫瘍においては、新たなスクリーニング技術の導入が求められています。
近未来的な視点から、これらの課題についての議論の出発点となることを目指して本テーマを設定いたしました。本総会が、今後の対策型検診のさらなる発展に少しでも貢献できれば幸いに存じます。
開催にあたり、至らぬ点もあったかと存じますが、何卒ご寛容賜りますようお願い申し上げますとともに、今後とも変わらぬご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
末筆ながら、学会会員の皆様のご健勝と、本学会のますますのご発展を心よりお祈り申し上げ、第64回日本消化器がん検診学会総会終了のご挨拶とさせていただきます。
第64回日本消化器がん検診学会総会会長
旭川医科大学内科学講座消化器内科学分野
教授 藤谷幹浩